コロナ禍の記憶
2025年2月1日
やまぐち歯科院長の山口雅人です。
こちらに投稿するのは久しぶりになります。
尼崎市医師会の広報誌に、前から書こうと思っていたテーマで書いたので、そのままのカタチで載せておきたいと思います。
コロナ禍の記憶は既に薄れていますが、その時の大変さを忘れないで居たいと思っています。
以下、投稿文です。
題名:メモリアル・ガウン
私は令和元年十月に尼崎市武庫元町に歯科医院を開業しました。そのほんの数か月後にコロナ禍が襲来しました。当時、正体の分らない致死性のウイルスは大きな脅威でありました。主に基礎疾患のある方に死亡リスクが高いと分かった後も、志村けんさんや岡江久美子さんといった著名人が亡くなった事で大きな精神的ショックを受けた事を覚えています。
しかし、今になって、新型コロナウイルスは五類となって、その記憶も薄れてきたように思います。新型インフルエンザもSARSもそうだったように思います。医療に携わる者として、あの脅威は忘れてはならないと考えています。
あのパンデミックを忘れないために、私は当初作った粗末な手製のガウンを今も尚使い続けています。当時はマスクなどが品切れになって値段が高騰し、ガウンなども例にもれず、ちゃんとしたものはとても高価で、開業したばかりの私には手の届かないものでした。それでも感染防御はしなければならないと考え、どこかの病院が手製のガウンを使っているのを参考にして、私もそれを使うようになりました。そのガウンは、ゴミ袋に数か所切り目を入れて簡単に作れるもので、見た目は悪いものの衣服に飛沫が付着するのを効果的に防いでくれます。見た目は決してカッコよくありませんので、患者さんの中には不思議に思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、未だそれに関して聞かれたことはありません。
私自身が記憶に留めておきたいがために、ゴミ袋で作ったガウンを使い続けているだけなので、職員に対しても詳しい説明をしていません。中には院長はいつも変なガウンを着ているなと内心思っている者も居るかもしれません。触れてはいけないと思われているためか、職員にも未だ聞かれたことがありません。
この度、此処に記事を書かせて頂く機会を得て、この事を書いておこうと思い立ちました。折角書いたものですので、医院のホームページ内のブログにも残しておこうと思います。
当院にご来院の際、私の着用しているガウンを見て、あぁこれかと思って頂ければ幸いです。
最後までご精読頂き、ありがとうございました。(やまぐち歯科院長山口雅人筆)